日本に住んでいる限り、シロアリの被害に絶対にあわない家というのは、まず存在しません。日本全国、どこにでも存在しているので、常に被害にあう可能性にさらされていると言っても過言ではないでしょう。
住宅産業が盛んであった昭和40年代、プレハブ住宅が盛んに建築された頃のことです。当時の住宅産業は成長期にあり、鉄筋造やコンクリート造のプレハブ住宅が、次々と建設されていきました。しかしながら、当時はまだ木材がたくさん使われていて、さらに「予防」という概念がありませんでしたから、シロアリの被害は拡大するばかりでした。ハウスメーカーでさえ、シロアリの被害は予測外の出来事だったので、頭をかかえながらもクレームの対応に追われる、という現状でした。
その結果、シロアリの食害によって、雨具やふすまなどの立て付けが悪くなる被害が出始めました。ついには床下の土台部分を侵食して、壁材を上に垂直に伝わって柱や筋交いを食べ進め、天井までも被害を及ぼす、という驚くようなケースも報告されています。
こんなにも深刻な被害を及ぼしているにもかかわらず、シロアリは決して外の世界には出てこないので、私たちは目にすることができませんね。
それが被害の拡大につながるのです。
そのため、気がついたときには、柱や土台がボロボロになっていたり、畳の内部に巨大な巣を作っていて、大量のシロアリを発見するというパターンが増えているのです。
イエシロアリの場合だと、巣の大きさが50センチから1メートルにまで及びますから、それが我が家で起こっていたら…と思うと怖いですね。また、湿気のこもりやすい押入れなどに、大切にしまっている紙類などは要注意です。
シロアリは、目の前にあるものは、選り好みせず、ほとんど何でも食べてしまいます。たとえ、それが大切な思い出のアルバムや本であろうとも、大好物のセルロースが含まれている紙類は、シロアリにとって格好のごちそうになります。特に古新聞など、活字インクの化学成分は大好物。シロアリの出すフェロモンの成分に近いためです。
こんな場合に対処するためにも、押入れには床面、壁面に必ずすのこを置くことをおススメします。壁面に密着させないようにするためですね。
好物の食べものがなくても、目の前にあるものだったら、なんでも口にしてしまう彼ら。その先の木材にありつくため、たとえ、ケーブルやコンクリート、金属だけしか目の前になくても、大あごで食い破り、貫通させてしまうのです。
また、過去の阪神・淡路大震災でもっとも被害の大きい神戸市東灘地区では、 倒壊した家屋の約8割が、シロアリの被害が原因であったという調査もあります。 シロアリ対策と予防が万全であったなら、倒壊家屋はもっと少なかったはずなのです。
家屋倒壊とシロアリの被害による相関関係、ほんとうにあなどれませんね。